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また冬景色
公聴会の案内
取り組みの紹介NO1
取り組みの紹介NO2
イエローストーンカットスロート
グレーリング
ウエストロープカットスロート(モンタナ州の釣りレギュレーションより)
■ネイティブ フィッシュを永遠に

 日本はゴールデンウィークですね。あちこち釣りにお出かけなさっている方も多いと思います。こちらの4月はなんだかすっきりしないお天気で、もう5月だというのに昨日一昨日は猛吹雪になり、一歩も外に出られない状態で、せっかく開いたイエローストーン国立公園のゲートも一時的にしめたそうです。そういいながらも少しずつ暖かくなってきているので、釣ってもいい川はどこも雪代で濁っていますし、今年のモンタナの川の解禁は5月15日、アイダホ、国立公園が5月29日なので釣りにいけない状態が続いています。

 先日イエローストーン国立公園で魚類関係の研究をしている公園管理のひとたちが、
「Native Fish Conservation Plan」の公聴会を開いてくださいました。この公聴会はウエストイエロースーンだけでなくボーズマンやワイオミングのジャクソン、コディでも開かれ、川の様子を一番よくしっている釣り人たちからも意見を聞こうというものでした。

 イエローストーン国立公園内の在来種は、カットスロート、ホワイトフィッシュ、グレーリングで、私たちがよく釣っているレインボーやブラウンは本来外来種。ですからレギュレーションでは、大きさや数を限ってレインボーやブラウンはキープしてもいい川が公園内にはあるのです。しかしレインボーやブラウンが生息し始めたのは、もう随分前のことでこれらを駆除することは不可能に近いものがあります。
 この公聴会では
 (1)イエローストーンレイクに近年生息し始めたレイクトラウトやワイヤリングディジーズなどがイエローストーンレイクのカットスロートッ生態系をおびやかしていること。

 (2)イエローストーンの川や湖にすむ在来種であるイエローストーンカットスロート、ウエストロープカットスロート、アークテックグレーリングが外来種の魚の影響で失われつつあること。

この近年もたらされた問題についての公園側の専門家たちから話をきくことができました。

 (1)についてですが、私がこのイエローストーン周辺で釣りを始めた12年前、イエローストーンレイクでキャリベイティスのハッチがすごいから行けばいいときいていってみたのですが、そのころの私はキャリベイティスがいったい何なのかも分からず、まあ公園の観光がてらいってみよう」と思ってレイクにでかけたところ、15ヤードから20ヤード先にたくさんカットスロートがライズをしていて、フライボックスにあった#16くらいのなにかイマージャーをつけて魚にとどくように必死にキャストしたら、あっさり大きなカットスロートが釣れてしまったのです。そのあともなぜかたくさん釣れてしまい、気分よく帰ってきたのを覚えています。その後、レイクトラウトが誰かの手で放流され、ボートやウエーダーなどについたワイヤリングディジーズがレイクにももたらされ、カットスロートが見る見るうちに釣れなくなってしまいました。今も7月15日以降イエローストーンレイク下流のイエローストーン川が解禁になりますが、昔の面影はどこへやら、なかなかカットスロートのライズをみることはなくなってしまったのです。
 公園側はレイクトラウトの駆除のために、レイクトラウトは釣れた場合キープするように呼びかけていましたが、それだけでは焼け石に水で、駆除対策の一例として近年はプロの漁師さんを雇い、漁船でレイクトラウトの捕獲作戦を始め、その効果は徐々に現れているそうです。
 (2)についてですが、公園のグレーブレイクなどではグレーリングが釣れますが、その数はどんどん減ってきているようですし、イエローストーンカットスロートやカットボーはつれてもウエストロープカットスロートは実のところ私は一度も釣ったことがなく、以前日本の知り合いがギャラティンで小さなウエストロープカットスロートを釣ったときに、このあたりを35年以上釣る夫が感動して、「これは20インチの魚を釣った程の価値がある」といっていたのを覚えています。それほど貴重な魚の数をどうやって回復させていくためにあるクリークの源流が種沢として守っていく取り組みなどが報告されていました。

 日本でも岩魚やヤマメといった在来種を守るために多くの取り組みがなされていることと思いますが、現実は放流に頼り、本当の意味での在来種の生息が大変難しくなっているのが現実だと思います。この公聴会で感じたのが、魚類学のスペシャリストの存在です。この公聴会の主催は長年魚類学や環境について研究を重ねてきた方々で釣り人の難しい質問にもちゃんとデータや文献などをみせて答えておられるのです。その道のプロです。そういった人の育成やそのような研究者たちと実際に川をあるく釣り人たちと話し合う機会がもっと増えるといいのになあと思いながら、家路につきました。
 余談ですが、日本にもブラウンがいる話をしたところ、皆さん大変びっくりしておられました。難しい話は分かりませんが、私の2つのふるさと、日本ではきれいなヤマメや岩魚
このイエローストーンではカットスロートがいつまでも釣れることを祈ってやみません。