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南米 チリ 釣行 Feb/05


 パタゴニアという響きから想像するほどには緯度が高くないコジャイケ近郊ですが、複雑な地形と強風が作り出す天気のバラエティは滑稽なほどで、町から1時間圏内の距離でも東西南北どっちへ行くかによって天気が全く異なります。おまけに今年はエル・ニーニョの影響で、今のところ気温の上がらない雨の日が多いとのこと。『今年は2日間晴れたら4日間雨』というホテルスタッフの言葉通り、今回の釣行は雨風に祟られた寒い寒いものとなりました。

某湖にて

『大丈夫、向こうは晴れてるよ』ガイドのガストンはそう言うのでしたが、どこの国でもガイドのこうした台詞は気休めにしかならないことが往々にしてあるのであって、朝、宿を出るときにどんよりとしていた空は、果たして目的の湖に近づくに連れて小雨が降ったり止んだりになっちゃいました。

 未舗装のダートの路肩に車を止めると、ルイスというガウチョと馬が3頭、犬が3匹待っていまして、ここからは泥濘の悪路を20分ほどかけて、ホースバックライディングでの湖のインレットへのアクセス。ぽっくりぽっくり小雨の中をお馬の背中に乗って行きます。

お馬には船外機やらなにやら荷物いっぱい

 この湖、名前を伏せろとガイドが言うのでそうしますが、つい近年まで車道の整備が遅れた地方に位置し、コジャイケから近い割には釣り場としては全く未開拓。昨年ぐらいから我がアウトフィッターのRUMBO PATAGONスタッフが苦労してルートを整備、ボートを運び込んで、周辺の農場主と協力して馬を手配してもらっているそうです。

 昨年ガストンが送ってくれた写真には『この地方で最大クラスのブラウン』というキャプションが付いたドでかいブラウンの写真が添付されており驚いたものでしたが、あれはこの湖で上がったものだとのこと。湖岸は急峻な岩と水面近くまで生い茂る木、それに水際の葦で非常に限られた地点からしか湖面にアクセスできない地形なので必然的にボートかチューブの釣りになります。おまけに先述したアクセスの悪さで釣り人が全くいません。まさに秘密の釣り場といった様相。ガストン曰く『先週もよい釣りが出来た』とのことで期待しておりました。(右上へ↑)

これがウワサのブラウンだ(photo by RUMBO PATAGON

 しかしこの日は、ボートを湖に浮かべてからも雨は一向に止まず、気温が上がらないのでマス達の活性は下がりまくり。#6ロッドで葦に似た植物の密生する湖畔沿いに次々とフライ(チェルノブイルアントの黒#4)を打ちこんでいきますが、魚は出ません。

 1時間ほどしてストリーマーに代え、#8ロッドとシンクティップでより深い層を探ってみますが全く駄目。再度ドライにフライを換えた12時過ぎ頃に気温がやや上がって、ようやくグッドサイズのブラウン2匹ゲット。凍えるような手で写真を撮って思わずニコニコ。ですが思ったようには気温が上がらず、その後はまた冷たい小雨と強風の中での釣りに。魚の活性が低ければ釣り人の活性も下がるわけでして、終いにはカメラを出すのも億劫に…。

どんなに寒くてもやはり笑顔がこぼれます

場所を移動して細長い湖の流れ出し付近へ。やはり両岸から数m葦が密生しており、その際がどうみてもブラウンの好ポイント。同じようにしてチェルノブイルを打ちこんでいきますが風で水面が激しく荒れ、活性は著しく低く苦戦。それでも時折フライに対してライズがありぼちぼち釣れます。でも寒すぎて楽しさ半減。ちょっとした上陸ポイントの木陰で立ったまま昼食を食べた後も気温は全く上がらず、大苦戦。#6くらいの巨大なニンフを沈めてゆ~っくり引いてくる等、あの手この手で攻め、最終的には20in前後のサイズ10匹くらいをゲットしたのでしたが、キャストするのが嫌になるくらいに寒く、楽しさ激減のまま湖を後にしました。(左下へ↓)